WEB広告の運用者が考える起業と会社名
Twitter見てると「起業します!」ってやつ溢れてるよね。社長だらけだよね世の中。
今日は起業したいという友人から、会社名の相談を受けたのでWEB広告運用者の視点から企業名について話していきます。
ポイント
大事だと思う点はざっくり2つ。
(1)固有名詞であること。
(2)覚えやすいこと。
では、それぞれ理由を書いていきます。
(1)固有名詞であること
これは多くのWEBマーケ界隈の人がが納得してくれると思うんだけど、一般名詞寄りのワードで会社名とかサービス名組まれてると結構無駄なワードに引っかかり安いんですよね。
(例)
例を出すと「株式会社たい焼き」って会社を作るじゃないですか。で、自社でなにやらアプリとかソフトとか作る会社なわけですよ。
ある程度名が売れてくると、いろんな人が「株式会社たい焼き」を探そうと検索をかけるんですが「たい焼き」なんて調べても、いくら探そうがレシピとかお店の情報しか出てきません。せっかく名前が売れてもなかなか検索に引っかからないんですね。
これはSEOもリスティングも同じですが、基本的に検索需要の多いワードで上位表示するのって、SEOなら時間が、リスティングなら費用がかかるんですね。しかも結構なボリュームで。
リスティングの場合、
例えば「株式会社たい焼き」がアプリで名刺を自作できるサービスとかを作ったとすると、広告で集客する場合「名刺 作成」とか「名刺 自作」ってキーワードで広告を出向します。
上記のキーワードで流入したユーザーって、ある程度見込みが高そうなので、1回目の接触でアプリダウンロードまでいく確率も高そうですよね。でも、このご時世名刺の作成サービスなんて溢れてるので、同じくらいダウンロードしない人もいる可能性が高いんですよ。
そうなった場合、またそこから別のアプリのlpなり、ストアの情報なりを閲覧して、最終的にまた戻ってきて自社のアプリをダウンロードって導線になるんですね。
その場合、ユーザーが同じようなキーワードで検索して、同じように自社の広告が出てくれば良いんですが、必ず広告が表示されるわけじゃないんですよ。
そうなると、やはりサービス名だとか、会社名で検索をかけるので想定されるキーワードとしては「たい焼き」単一か「たい焼き 名刺」とかになりますよね。
では実際に検索してみましょう。
はい、検索しました。
画像のように、たい焼き単一だとGoogle マップが現在地付近のたい焼き店を、名刺の掛け合わせだとシンプルに「名刺」のみで広告を打っているであろう資金の潤沢な大手起業の広告が表示されます。
ここに広告を出して、上位表示を勝ち取るのはたやすくありません。さらに言えばGoogle マップが表示されている枠に広告を上位表示させるには、相当の努力が必要です。
本来ならば、上記のユーザーはすでに相当な見込み顧客のため、なるべくコストをかけずに刈り取るのが最善なのですが、ノリで付けた会社名のために無駄な費用が嵩むこととなってしまいました。
このように「たい焼き」のような、一般に別の意味ですでに浸透している言葉をそのまま用いると、後々コストがとてもかかるということになりかねないのです。
あともう一点、弊害があります。それはシンプルに「たい焼き」を調べている人が流入してくるということです。オーガニックで入ってくるだけならまだ良いんですが、検索広告で入ってこられた日にはたまったもんじゃないですよね。
正確には、オーガニックでの流入も、リマケリストに蓄積されて後々費用を使ってしまう恐れがあるので、一概にスルーできないこともありますけどね。
もちろん、自分の足で稼げるタイプの起業家の方でWEBの集客に頼らねーぜって方なら、どんな会社名でもあまり関係はなかったりするんでしょうが、Twitterで「起業します!」って息巻いてるタイプの人はたぶんネットを駆使してなんやかんやって考えてると思うので、会社名は固有名詞でユニークなものにしましょう。
(2)覚えやすいこと
これも1つ目の理由に結構近いんですが、覚えづらい企業名、サービス名の場合は、そもそも検索に移りづらいということが考えられます。
例として、オリエンタルランドさんをあげましょう。言わずと知れたディズニーランドの運営会社ですね。
オリエンタルランドという言葉は、元々は英語ですね。ではこれを英語表記にしてみましょう。
株式会社Oriental Land
まぁ実際オリエンタルランドくらい読みやすい英語なら覚えられないことはないんですが、これ知らない会社の名前がパッとみただけで英語表記で、しかもそのスペルを全て覚えてるのって実はハードル高いんですよ。
あとは、サービスの内容的に定年齢層がターゲットだったり、学力が低い層がターゲットなサービスだと、ユーザーによっては会社名がそもそも読めないなんてこともあり得ますし。
その点、
株式会社オリエンタルランド
これであれば、日本人のほとんどが間違いなく読めますよね。
このオリエンタルランドの例のように、会社名はなるだけわかりやすく、パッと覚えやすいものの方がいいと思います。
覚えやすい企業名の特徴としては、下記の2つ。
・カタカナや平仮名、簡単な漢字であること
・長すぎないこと
この二つが非常に重要だと思います。
まとめ
- 会社名を考える際は固有名詞かつ覚えやすく
- 一般名詞を用いると広告、SEOのコストが増える
以上です。
平凡なマーケターはお茶を濁す
閑話
「え〜、足立区って治安悪いところだろ?」
言われ慣れている一言、正直何回も言われていてもはや訂正する気にもならない。
先日、高校の頃の友人と久しぶりに連絡を取り、近況について話す機会があった。
当然、今住んでいるところのことなんて、いの一番に話す情報であり、
なんとなく場つなぎに会話のネタにするのにはうってつけだった。
実際のところ、足立区の治安は現状ではそんなに悪くないと思う。
下記の記事なんかにも書かれている。
とまぁ、近年の足立区は犯罪発生密度的には、23区中22位と、都内でも屈指の犯罪発生密度の低さを誇るのだが、世間の方々が抱くイメージは結構真逆だったりする。
冒頭に戻る。
友人「え〜、足立区って治安悪いところだろ?」
自分「はは、そうだね〜笑。この間も猫がゲロなめてたよ笑」
友人「きったねぇ笑」
僕はこの時、足立区の治安は良いと言い返すこともできたが、しなかった。なんというか、空気を読んで、お茶を濁したのだ。人との会話の中では時に、正しいことよりもテンポを重要視した方が良いというのは、20数年生きてきてなんとなく知っていたから。
その後も何とは無しに、内容のない近況を話して、電話を切った。50分くらい電話していたので、そろそろ夕飯の時間だった。買い出しに駅前のスーパーに行く。途中、駅のペデストリアンデッキから「おかげさまで、また減りました!」というのぼりが見えた。
「あんまり浸透してないですよ」と口には出さずに、スーパーに向かった。
閑話休題
なんとなく、ブログを小説っぽく描き始めてみた。本当にただの趣味なので、不快に思った方は、ここから読んでくくれれば良いと思う。おそらく自分でも1週間後の夜とかに読み返して後悔するに違いない。
今回のブログを読むにあたって「ステレオタイプ」というワードを使う。
一般的にも浸透している言葉なので、あまり説明はいらないと思うが、所謂「思い込み」とか「イメージ」みたいなものである。
今回は、この「ステレオタイプ」と、冒頭の「閑話」にて話した足立区の治安問題の一件にて思うことがったので、書いておく。
ステレオタイプと訴求
モノやサービスを売る時、ステレオタイプというのは非常に重要な要素となる。例えば「野菜は国産の方が良い」「セーターはカシミヤが良い」とかの売り文句をよく聞くと思う。これは、すべてステレオタイプだ。
実際のところ、日本国産の野菜の農薬使用量は非常に高く「国産の方が良い」とは言えないかもしれない。FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、日本も11.4kgの農薬を使っており、中国の農地1haあたり13kgという世界トップレベルの数値とほぼ変わらない。日本も中国に劣らず、世界トップレベルの農薬大国であるため、本当に野菜は国産の方がいいのかは疑わしい。
カシミヤのセーターも、非常に高級で肌触りの良い商品として知られるが、その分非常にデリケートな素材であることはあまり知られていない。カシミヤは、ピリングと呼ばれる毛玉が頻繁に発生するし、水には弱く濡れればすぐに拭く必要がある。例えば、カシミヤの利点を「肌触りの良さ」と捉えるならば、同様にセーターの素材になるアルパカの毛を使用したものでも、同様の肌触りの良さがある。それに、アルパカは毛玉ができずらいという利点もある。
このように、ステレオタイプは、本質的にはそうではないことがある。
しかし、実際に僕がクライアントから依頼をされたら、
「国産」や「最高級のカシミヤ使用」という訴求分を広告に用いるだろう。
というのも、物事の「本質」というのは、あまり消費者にとって重要ではないからだ。
上記の二つ「国産野菜」「カシミヤのセーター」の説明は、ある一定の側面から本質的で、消費者にとって有利になる情報かもしれない。ただ、実際にこんな情報は、世間一般のマーケターからすると大した情報ではなかったりする。
あらゆる企業のマーケターは、限られたスペースで自社の、クライアントの商品が最大限売れる仕組みやキャッチコピーを考える必要がある。例えば僕の場合、それがGoogle広告だったり、LINE広告だったり、インスタグラムの広告だったり。つまり僕の場合、限られたスペースというのは、Google広告における文字数制限だ。
Google広告の検索広告は、広告見出し1、2、3がそれぞれ30文字(半角表記)で、説明文1、2が90文字(半角表記)、パス1、2がそれぞれ15文字(半角表記)の文字数制限がある。あらゆる広告運用者は、基本的にはこの枠組みの中でモノやサービスを最大限に訴求する必要がある。
上記のような制限の中で、アパレル企業のECサイトを運営したとすると、
「セーター 冬用」みたいなキーワードの際に、僕はきっと「カシミヤ」であるという利点を訴求に用いる。アルパカのセーターがあったとしても、だ。
本質的なことを考えると、カシミヤであることは消費者にとってあまり有益ではないかもしれない。つまりは、別のメリットを訴求する必要がある。しかし、それでもあえて「カシミヤ」を使う。多分、限られた文字数の中で「最高の肌触りのカシミヤセーター」みたいな感じで、広告を出すだろう。
それはなぜか。
なんというか、空気を読んで、お茶を濁したのだ。
平凡なマーケターは空気を読む
僕はとても、平凡なマーケターである。気の利いたキャッチコピーや、誰もが驚く施策を思いついたりはしない。できる範囲の当たり前のことを、できる限り高速でPDCAを回していくしかできない。
しかし、同時にそれでいいとも思っている。消費者にとって、気の利いたキャッチコピーや、誰もが驚く施策は果たして本当に有益なのだろうか。テレビで流れるCMなんかを見ていると、たまにクリエイターのマスターベーションを見ている気分になる。本当に大事なことは、求めているモノやサービスを簡潔に、わかりやすく伝えることだ。平凡なマーケターは、かっこいいクリエイターとは違う。※ブランディングでマスターベーションチックなCMを流すのが良いこともあるし、抽象的な表現をとった方が訴求になることもある。
実際に僕が関わってきた優秀で平凡なマーケターは、空気を読むのが非常に上手だ。それは、会話の中でもそうだし、市場の、世間の、物事の、何より消費者の空気を読む。
消費者はアルパカのセーターなんて知っちゃいない。セーターなら「最高級のカシミヤ使用」という情報を出してあげた方がユーザーは喜ぶのだ。つまりは、空気を読んで、お茶を濁した方が良い。
あとがき
色々勝手なことを書いたが、僕は「カシミヤ」や「国産野菜」が悪いとは、正直思ってはいない。文章中では、それっぽい流れにするために「よくないもの」として取り扱ったが、それは実際はある一側面なだけなので、本当のことはよくわからない。ただマーケティングをするとき、というかキャッチコピーを考えるとき「ステレオタイプ」というものを意識して考えてみると、いいかもしれない。
広告グループの構造について
アカウント構造の最適解について
アカウントの構造について、どのような形が最適化という質問をスキルトランスファーしているクライアントの方から受けることがある。
まぁhagakureだとか、1広告グループ1キーワードの方がいいだとか、よく議論されている内容である。googleの推奨は今なんなんだろう。最近セミナー行ってないし、Googleの担当からのメールは無視してるし、よくわからん。
一つ言えるのは、商材によってケースバイケースということで、場合によってはキーワードを全部広告グループでまとめたほうがいい場合もあるし、逆に全部分けたほうがいい場合もある。今回はたまたま質問をいただいたアパレルのECサイトを運営しているクライアント様の例をあげて書いていく。
某ECサイトの例
例えば洋服を売っている会社がアカウントを作るとしたらどうなるだろうか。
僕なりの回答としては、下記のように広告グループを分けたほうが良い。
(例)
【広告グループ】
- ワンピース
- ボトムス
- ジャケット
で、それぞれの広告グループ内に「〇〇 春物」「〇〇 SS」「〇〇 2020」とかキーワードを分けて入れたほうが良い。
理由としては、ざっくり3つある。
- 広告文の出し分けができる
- 入札単価を分けることができる
- アカウント管理が楽になる
広告文の出し分けができる
まず一つ目の「広告文の出し分けができる」の理由について。ボトムスにはボトムスの、ジャケットにはジャケットの広告を出してあげたほうが良いに決まってる。広告グループを分けるということは、広告文を分けるということ。ジャケットが欲しい人に、ボトムスの広告を出しても クリック率は最悪。
入札単価を分けることができる
次に「入札価格を分けることができる」について。上記であげた商品は、おそらくどれも価格が違うと思う。例えば「ボトムス:10,000円」「ジャケット:30,000円」という商品を販売しているとしよう。
これらの商品に、同一の入札単価でオークションにかけて良いだろうか?まぁ正確にいうと、同一の入札単価に設定していても良い場合はあるが、基本的にはNOだ。当然「ボトムス:10,000円」に対して「ジャケット:30,000円」と同等の広告費をかけるのは、よっぽど原価に差がある場合を除き、費用の無駄が大きくなる。
逆のパターンもあり「ジャケット:30,000円」に対して「ボトムス:10,000円」と同じ広告費しかかけていない場合、ジャケットは機会損失している可能性が高い。
両側面から見て、商材ごとに広告グループは分けたほうがいい。
最後に「アカウント管理が楽になる」の理由について。シンプルに分析が大変になるので、絶対に商材で広告グループは分けたほうが良い。 分けないと下記みたいな例になる。
(例)
広告文「春物のボトムスなら〇〇」のパフォーマンスがいい!
↓
じゃあ広告文「春でもサラリと羽織れるジャケット」はOFFにしよう!
↓
あれ、コンバージョン激減してない?
ごめんなさい、すごく雑に書きました。なんとなくわかってくれると思うんだが、キーワードをまとめてしまっていることで、広告文「ボトムス」のパフォーマンスが良く感じるかもしれないが、先ほども書いたように単価の違う商材なんだから、自ずとCPAは変わってくるわけで、同様の枠組みで考えても仕方がない。
分析の手法に「Apple to Apple」みたいなのがあるのだが、上記のアカウント構造だと、要するにこの分析手法が使えない。「Apple to Apple」については、下記がよくまとまってるので、読んでみて。
簡単にいうと、平等な評価ができなくなるということだ。
まとめ
文章書くの疲れてきたので、箇条書きで大事なことをまとめ兼、メモしとく。
最後に
もちろん、代理店で運用している方や、ある程度インハウスで運用している方はこのような事は僕が指摘するまでもないとは思う。しかし、色々な人のアカウントをみていて初心者の運用者や、なんとなく知ってますよ系の人はあまり考えなしにhagakure的な構造にアカウントを作成していることをよく目にする。
昨今、入札の自動化などで誰でも簡単に広告配信ができるようになった。しかし、簡単な分、片手間の運用で非常に勿体無い状態のアカウントが多い。これを読んだ方は、ぜひ一度、自分のアカウントの構造をしっかりとチェックすることをオススメする。
あ、あと一応営業しておくと、今回のような内容を踏まえて、アカウントの状態が最適化どうか分析を無料でやっているので、興味のある方はぜひ。連絡ください。
カラーミーでのGTM、CV計測の設定方法
先日、運用者の友人からカラーミーでのGTMの設定について尋ねられました。
カートシステムってめちゃくちゃ種類多いので、クライアントからGTMの設置など代行をお願いされると、あんまりECやってない運用者なんかは意外とてこずるんですよね。
Google広告のコミュニティーにそれらしいのがあったらしいが、アップデート後、以前の記事が軒並み閲覧できなくなっているらしく、検索してもめぼしい記事が出てこないらしい。
僕自身も、あまりカラーミーのGTMの設定なんてやる機会はそうそうないので、備忘録がわりにブログにしておこうと思う。
【前提】
- Google広告
- カラーミー
この二つのアカウントは持ってる前提で話します。
あと、言葉で説明すると面倒なので、キャプチャで進めていきます。
(1)カラーミートップページから「検索エンジン対策」をクリック
(2)一番下までスクロールすると「headタグ内フリースペース設定」って項目があるので、貼り付けが必要な箇所にGTMのタグを張り付けましょう。
※head、body用両方貼っちゃっていいです。
(3)動作確認しましょう。
プレビューを選択して
GTMが移ればOK
と、簡単です。
項目名だけわかっていれば、簡単ですね!
これでリマケもCV計測も大丈夫です!
・・・じつは落とし穴が
実は、カラーミーはこれだけではCV計測はできません!
というのも、カラーミーは購入完了ページなどはドメインが変わってしまうので、
先ほどの設定だけでは完了ページにGTMが貼り付けられてないのです!
(4)コンバージョンタグは別に張り付けましょう。
「ツール」→「コンバージョンタグ」をクリック
(5)「お、headとbodyで別れてんじゃん、ここにGTM張ればいいんでしょ?」
と思ったそこのアナタ、残念また落とし穴にはまりました。
実は、このページにGTMのタグを貼り付けても、カート上ではGTMは動作しません。
なんでかの考察と、キャプチャはめんどくさいので割愛します。
※2020年5月の時点です。もしGTM設置出来たら教えてくれると嬉しいです!
GTMは貼り付けても動作しないので、CVタグを直接貼り付けましょう。
これで大体OKです、テストCVだけしっかりしてくださいね!
そのうちカラーミーでのROASの計測の仕方とか、カート落ちリマケのやり方とかも書きます!